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ベージュのスーツ、仕事ができるハッタリをきかせて銀座を闊歩した。闊歩したものの2時間で足は痛み出し、こんなパンプスは脱ぎ捨てて、はやくボルダリングシューズに履き替えたかった。父とカレーを食べた。それ以来、トイレのたびに肛門がしくしくいたむ。
1993年生まれ。江戸川区出身。写真家、仮面劇俳優、インプロバイザーとして活動中。人物ポートレート、人物スナップを得意とする。
ベージュのスーツ、仕事ができるハッタリをきかせて銀座を闊歩した。闊歩したものの2時間で足は痛み出し、こんなパンプスは脱ぎ捨てて、はやくボルダリングシューズに履き替えたかった。父とカレーを食べた。それ以来、トイレのたびに肛門がしくしくいたむ。
足が冷えて眠れない。左足で右足をこすり、右足で左足をこする。土踏まずが保冷材よろしくヒヤヒヤぷにぷにしてしまっている。ふと思い立って、両頬を両足で挟もうと思いたつ。ストレッチもできてよさそう。軽い気持ちで取り組んだがなかなかうまくいかない。突然視界が幽体離脱して、部屋の上からわたしを見ていた。夜中ひとりの布団の上で、おきあがりこぼしのようにまぬけな自分がいた。
サンマルクのチョコクロは、さして大きくもない。OKストアのチョコクロワッサンより各段においしいわけでもない(とわたしは思う)。だけど友人の中には、ヘビーローテーションのチョコクロジャンキーが多数いる。さっぱりわからなかった。朝早く家を出て、四谷で10分乗り換えの余裕があった。四つ角にファミリーマート、NEWDAYS、サンマルク。どこでもよかったのにサンマルクのチョコクロを買ってみた。やっぱりさしておいしくない。190円払ってパンを食べること、190円払ってしまった。チョコクロは、ただのクロワッサンではなく、概念みたいなものなんだなあ。
ついに今年もシュトーレンの季節がやってきてしまった。ああ、なんてことだ!
図らずもミシナさんを独り占めしてしまった。マジックは楽しい。びっくりする。すごい。なんで。不思議。素敵。マジックショーが楽しくても、褒める語彙なんてこんなもんだ。肉を食べて「とける」と言ったり「玉手箱」だとか「ジューシー」だとかさほどのバリエーションもなく、ただ口をあけてすごいすごい!とはしゃいで帰ってきた。不思議の前では四歳児程度の知能とリアクションに退行してしまう。だからうまくおススメ出来なくて心苦しいけれど、
当人だけが困り顔、ファミリーもののコメディを演じきったので当分は外出も外食も予定していない。わたしと妹は似ていないらしいけれど、おじいちゃんは一目でわかるくらいに似ているそうだ。
お風呂場の窓から乗り出して、湯気と煙。もう風が冷たくて灰がチリチリ言い出した。小指の爪先ほど飛び散った灰がそのまま風に乗ってキラキラ飛んでいく。灰だったはずの破片は翅のように見えて、旋回しながら遠くへ行ってしまった。こんなに寒いのにチョウバエだったのかもしれない。灰が生き物になるなんてファンタジーがすぎる。人生に少しの希望が欲しくて、そんなふうにかっこをつけて吸っているホープだったから。