160301
休みの日はブランチを。期待していたよりずっと「上品なナポリタン」を作ってもらった。上品な食べ物を”ナポリタン”と呼んでいいのかどうかは悩みどころで、ドライカレーやら的屋のフライやらそういった下品な美味しさのものを、”ナポリタン”と呼ぶべきなのだと思っていた。お上品なブランチは、もちろん、それはそれで、すごく美味しかった。二人で「うん、やっぱりあの下品さは、ブルドッグソースかしらね」「そうだね」なんて、リベンジを決意したのだ。
1993年生まれ。江戸川区出身。写真家、仮面劇俳優、インプロバイザーとして活動中。人物ポートレート、人物スナップを得意とする。
休みの日はブランチを。期待していたよりずっと「上品なナポリタン」を作ってもらった。上品な食べ物を”ナポリタン”と呼んでいいのかどうかは悩みどころで、ドライカレーやら的屋のフライやらそういった下品な美味しさのものを、”ナポリタン”と呼ぶべきなのだと思っていた。お上品なブランチは、もちろん、それはそれで、すごく美味しかった。二人で「うん、やっぱりあの下品さは、ブルドッグソースかしらね」「そうだね」なんて、リベンジを決意したのだ。
あと10日遅く産まれていれば、あるいはキューピッド扱いしてもらえたのかもしれない。美川憲一が悪いわけではないのに、「”さそり座の女”だね」と言われるたび憎々しい気持ちになってしまう。11月生まれというだけで「”毒”がある」なんて不条理だ。ほんとうに、”お気の毒さま”なことだ。
酔っぱらって『人望がないんだよなあ、しかし』とくだを巻いてしまう人の人望のなさについては疑うまでもないけれど、その様がどうしょうもなく憎めないのだから、彼にはきっと人望より大切な何かが備わっているのかもしれない。だって、10分もしないうちにゴキゲンになって『カラオケに行こう!行こうよ!』とハシャいでいるところが最高にキュートだ。そんな可愛い彼のモノマネが今、お店中で流行っている。
襟元までボタンをピッチリしめる人の気が知れない。そんな神経質で小姑みたいな奴と仲良くなれるもんか。そんな風に思っていた。知れない知れないと言いながら、いつのまにか1年半、気が置けない人になっていた。襟元まで閉じられたボタン一杯にはちきれそうなお茶目さと熱量、糞の上に糞がつく真面目さも素敵だなと思えるようになったのは24時間前くらいからだった。わたしが現金な性格だから、愛しさは大抵、会えなくなるとわかってから考え出す。それでやっぱり、小姑みたいな彼とは、会えなくなる距離感くらいがちょうどよいのかもしれない。
「ねえ、タコスってなあに」「タコスってなんだろう」カリカリした奴に赤いソースをつけて食べるあれだよ、たぶん、なんてこっそり思っていた。言わなくてよかった。あとで聞いて知ったけれど、それはナチョスだった。タコの複数形かなあとも思っていたけれど、それも口に出さなくてよかった。タツミさんが「ものを知らねえんだ」とプリプリしていた。
ソノベさんは、見ると必ずえいひれを頼んでしまうらしい。居酒屋は「えいひれがある居酒屋」「そうでない居酒屋」の二種類にわけられる。その切実度はたぶん、わたしにとってのタバコが吸えるか吸えないか、それくらい高いものなのだと思う。cherryにはえいひれがあるから、わたしがお店に着いた時には既に幸せそうな顔をしていた。
久しぶりに、メニューのあるバーに行った。カクテルの名前はまるで呪文のようで今にも魔人が氷が炎が光線が飛び出す。馬鹿の二つ覚え、フィズかトニックしか飲めない普段のわたしとはまるで違う、今日はどんな呪文も唱えられる。中でも一番陽気で愉快そうな「バラライカ」を。わくわくしながら飲んだけど、翌日便秘で身もだえした。魔人どころかうんちも出せずに家で悶々とすることになってしまったのだ。