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1993年生まれ。江戸川区出身。写真家、仮面劇俳優、インプロバイザーとして活動中。人物ポートレート、人物スナップを得意とする。

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年の瀬が近づいてきて、来年のカレンダーを買った。今年もマリリンモンロー。これで4年目になる。そろそろ似てきてもいいころのはずなのに。

ウツミ君はことあるごとに「アレクサンダーテクニックやってるんで」と言う。アレクサンダーテクニックは、なんだか首の力を抜くものだという認識がある(ウツミ君のうけうりで)
今日は歯医者だった。歯医者がいやすぎて、「首を自由に、首を自由に」と言い聞かせながら施術を受けた。全然うまくいかなくて、ウツミ君にそのことを伝えたら「僕も歯医者は無理」と言っていた。アレクサンダーVS歯医者、勝者は歯医者!

リビングにて。お腹や二の腕の肉は、マッサージして寄せれば胸になると昔聞いた迷信を信じてセルフマッサージをする。「君たちはほんとうはおっぱいなんだ、さあおっぱい目指して歩き出せ」ついつい声に出しながらやっていたら母が「そうか。おっぱいはみんなの帰る場所、ユートピアだったのね」

「あと2年くらいは、借りを返す日々にしたい」
ふと声に出た。明日、わたしを大切にしてくれた先生の結婚式がある。わたしは、ホテルのカメラマンに超うざがられながら最高の写真を撮る。絶対に、撮らなくてはいけない。

借りてばかりの人生で、気付けば返しきれない借りがたまっていた。優しさとか、気遣いとか、悲痛なメッセージとか。わたし宛ではなかったはずなのに、うっかり、受け取ってしまったものも多かった。かえそうにも方法がないものも多かった。優しさに、どう答えていいのかわからずに逃げてしまったこともあった。悲痛なメッセージを、確かに受け取ったのに、目をそらしたしたこともあった。
優しくしてくれたあの人は、もういないけれど、他の人に出来るだけ優しくしなくてはいけないし、悲痛なメッセージへのわたしの答えを、しっかり言葉にしたい。このまま、踏み倒すわけにはいかないくらいの莫大な借りだった。

この2年は、それらの借りを、少しでも、自己満足的に返していきたいと、思った。カメラを鞄に詰めながら。写真で、肉体労働で、笑顔で、わたしが生きているということで。

dancer:Tomoko Kagatume/Satoko Fukuda
dress:Reona Tatekawa

キャンプから戻って風邪がぶり返した。鼻水が緑色のままだった。久しぶりに、家で読書をする。帰りの車でうっかりポチってしまった大澤真幸の新しい本を読んだ。

ドングリがテントをうつ音、炭火がパチパチと鳴く音、葉が触れ合ってざわめく音。キャンプ1回で、音のソノリティが3回は収録できる、とクジが笑っていた。
夜11時には、だいたいみんな寝静まって、周りのテントでもセンチメンタルな大人だけが起きていた。わたしとクジは簡易椅子に座ってお湯割りを飲んだ。炭火がとろとろと燃えている。クジと少しだけ、哲学の話なんかをした。自然に触れると簡単に哲学の話をしてしまうあたり、単純だと思いながら。こいつとは、絶対にわかりあえない。日頃からそう思い続けたまま、もうすぐ10年の付き合いになってしまう。わかりあえないクジと、炭火の前でぽつぽつと話したことは、東京に帰ってなお、わたしの胸の中で燃え続けている。何を話したかは、秘密にしておきたい気がしている。