171130
「あと2年くらいは、借りを返す日々にしたい」
ふと声に出た。明日、わたしを大切にしてくれた先生の結婚式がある。わたしは、ホテルのカメラマンに超うざがられながら最高の写真を撮る。絶対に、撮らなくてはいけない。
借りてばかりの人生で、気付けば返しきれない借りがたまっていた。優しさとか、気遣いとか、悲痛なメッセージとか。わたし宛ではなかったはずなのに、うっかり、受け取ってしまったものも多かった。かえそうにも方法がないものも多かった。優しさに、どう答えていいのかわからずに逃げてしまったこともあった。悲痛なメッセージを、確かに受け取ったのに、目をそらしたしたこともあった。
優しくしてくれたあの人は、もういないけれど、他の人に出来るだけ優しくしなくてはいけないし、悲痛なメッセージへのわたしの答えを、しっかり言葉にしたい。このまま、踏み倒すわけにはいかないくらいの莫大な借りだった。
この2年は、それらの借りを、少しでも、自己満足的に返していきたいと、思った。カメラを鞄に詰めながら。写真で、肉体労働で、笑顔で、わたしが生きているということで。
dancer:Tomoko Kagatume/Satoko Fukuda
dress:Reona Tatekawa