6月30日に、蔵前4273にてザ・ベクデルテストのためのワークショップvol.3を行います。
詳細、参加はこちら(https://www.facebook.com/events/632680807071596/)か、当HPお問い合わせフォームより受け付けます
ベクデルテスト(※1)とは、映画や小説のジェンダーバイアスを見るための簡単なチェック項目だ
①名前がついている女性が2人以上登場するか?
②その女性同士が会話をするシーンがあるか?
③その会話の内容は、男についての話以外であるか?
このシンプルな3つの項目をクリアする映画や小説は、実はそんなに多くない。
ザ・ベクデルテストとは、ベクデルテストをパスするインプロを作るべく、BATSのリサ・ローランドが生み出した新しいインプロフォーマットのことだ。このフォーマットでは、3人の女性主人公が出てくる。その3人の人生のスナップショットを追っていくことができる。
松山、東京、横浜と3度の公演を経て、わたしが今どんなことを考えているかを少し書きたい。
●前置きをしなくて済むように
「女性だけど」社長だっていますよね、とか、ボルダリングしているかもしれませんよね、「女性だから」喫茶店で待ち合わせかもしれません、とか。第二回のワークショップでは何気なくそういった前置きをしてしまうことが多かった。「彼女は社長です」という自分のディレクションに、わたし自身が言い訳をしてしまっていたように思う。今度のワークショップでは、これらの一切を意図的にやめてみたいと思う。
●物語は作れないのか?
既存の物語の構造に乗せようとすると、男性主体になってしまいがちなので、今まではスナップショット的に人生を見ていく方法をとってきた。だけど、本当に物語は作れないのだろうか、とも考えている。今度のワークショップでは少しだけチャレンジしたいと思っている(難しすぎたらすぐにやめて違う方法を考える)
●今後のチャレンジ
ザ・ベクデルテストのフォーマットの意義は、「フォーマットがなくても当たり前に出来るようになること」だとわたしは思っている。
実はわたしは、タランティーノ、北野武、クローネンバーグが大好きだ。シェイクスピアも好きだ。だけど、この人たちの作るものはベクデルテストを一切パスしていない。今後は「インプロバイズドシェイクスピア」など、インプロバイズド○○を作る中でベクデルテストをパスする方法を模索していきたい。だって、わたしが見たいから。ベクデルテストをパスしたタランティーノが見てみたいし、北野武が見てみたい。
(※1)アリソン・ベクデルの漫画に出てきたキャラクターが「これをパスする映画しか見ない!」と話している場面から「ベクデルテスト」と名付けられた。