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1993年生まれ。江戸川区出身。写真家、仮面劇俳優、インプロバイザーとして活動中。人物ポートレート、人物スナップを得意とする。

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花火柄の手拭いを使うときは、ちいさくたたんだ角でちょんちょんとおでこを拭く。架空の着物、袖をつかんで、誰のつもりでしょう。正解は、八千草薫でした。

「優しいウソはいらない」なんてわざわざ口に出して言うなんて、大ウソつくのも大概にしようと思った。

「ロランバルトくらい知らないと」だけどわたし、ロランバルトは陽気なおじいちゃんだってことしか知らないし、あの人の本はちょっとよくわからないし、たぶん友達にはなれなそうなんです。

学食で、マツモトさんとスミコ先生に拉致された。ハーゲンダッツでいいかしら、と言われるがままに買収され国語科研究室に行った。コーヒーミルクアイス分だけ、研究のお手伝い。国語科の研究室に拉致されるのはこれがはじめてではない。あれも夏だった。セキヤ先生の自主ゼミに参加していた。すごく気持ち悪い小説を読んだ後に、昆布と豆腐を食べるイベント。その帰り道で自転車を盗まれたんだっけ。セキヤ先生から借りた本はまだ返せていない。

トイレと床の接地面の隙間から、やつは現れた。おぞましい見た目、動き、何を考えているのか読めないポーカーフェイス。地獄からの使者に違いない。動揺しすぎて泣きながら母に電話した。魔のものには塩か呪文か、臭いものには蓋なのか。「トイレに流しちゃいなさいよ」「でも動いてるんだよおおお」爆笑された。12分にわたる死闘の末、ナメクジにうちかつ。涙でぐしゃぐしゃのまま、トイレに流されていく大量のトイレットペーパーを見つめる。あいつが今にもにょきっと飛び出してきそう。万全体制で応戦準備をしていたけれど、おとなしくお帰りいただけた。それからというもの、水回りの水滴を見るたびにあいつではないかと疑うようになってしまった。シンクに残るコーヒーの滴があいつに見えて、ひとり家で「ひええええ」と声をあげる。きっと「ひええええ」と言わなくなったころにまた現れるから、塩だけは欠かさずに買っておこうと決めたんだ。

国分寺にも懐かしい気持ちになるケーキ屋さんがあって、どうしても急にそうしたくなって、サンダルで買いに行った。意気揚々とケーキを頼んで支払おうとしたら財布がない。鍵しか持って出なかった。走って家と往復して「サザエさんだね」笑われた。恥ずかしくてたくさん謝りながら店を出る。笑ってくれたおばさんと同じくらい優しいケーキを食べた。