180202
寝袋の中で変な夢を見た。
わたしはキャベツの中にいた。もぞもぞと身体を動かすと、キャベツの肌に頬が触れてひんやりした。隣でモンシロチョウの幼虫が光っていた。小さかった幼虫はそこらのキャベツを食べ、たちまち大きくなりわたしのスペースを侵害した。蛹になったモンシロチョウはわたしと同じくらいの大きさで、私の隣にいた。蛹は呼吸をしていた。膨らむたびに狭くて不愉快だった。ピリリ、と音がして蛹から大きなモンシロチョウが羽化する。やめてくれ、やめてくれ、と一生懸命押し戻そうとしても間に合わず、モンシロチョウの鱗粉が頬を撫でた。ザラザラとしていて気持ちが悪い。キャベツの狭間で成虫になってしまったモンシロチョウはジタバタと暴れ、羽が傷ついていくのがわかった。やたらに暴れて、やがて、動かなくなってしまった。
目が覚めてから変な気持ちだった。わたしの頭蓋骨と脳の隙間で、モンシロチョウが死んでいる気がした。台所からシャカシャカと音がした。わたしのモンシロチョウが死んだのをよそに、フミヒロはプロテインを溶いていた。「飲む?」と聞かれたけれど、鱗粉のような気がして気持ちが悪く、飲むことが出来なかった。