171118
昨日書いたように、松山で飛行機を逃しかけた時、わたしはゲラゲラ笑っていた。そうして隣にいるリナも、ゲラゲラ笑っているものだと思っていた。わたしと同じようにドキドキハラハラをすっかり楽しんでいる、と思っていた。そう、思い込むべきではなかった。
松山から帰ってきて、わたしは体調を崩した。松山での疲れ、というよりはそれを文章化するのにエネルギーを使った。あまり眠れずに翌朝写真をとりにいって、夕方熱を出した。リナは熱を出さなかった。かわりに、鬱状態になって毎日泣いて過ごしていた。そのことを聞いたのはもう4日も過ぎてからで、それまで思い当たりもしなかった。
飛行機を逃しかけたとき、ゲラゲラ笑うわたしの傍らで、リナはたぶん落ち込んでいた。「誰かがなんとかしてくれる、ではダメで、しっかりした大人になりたい」とあとで聞いたとき驚いた。わたしは自分で飛行機の時間を見もしなかった。「リナがなんとかしてくれる」とまさに思っていて、挙句飛行機を逃しかけた時もゲラゲラ笑っていた。あと2分、リナが気づくのが遅かったら、本当に逃していた。タクシーの中でわたしは、本当に逃したらすぐに飛行機がとれるのか、取れない場合どこの温泉にはいろうか、考えていた。