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1993年生まれ。江戸川区出身。写真家、仮面劇俳優、インプロバイザーとして活動中。人物ポートレート、人物スナップを得意とする。

 長い一日だった。エアカナダのチェックインにえらい時間がかかった。早くすませて母と最後の不二家パフェを食べる予定が、割り込まれ変な列に並ばされ、カウンターを出ると「もう搭乗口にむかってください」なんて。出国前から既に半べそだった。さようならミルキーソフト。あんまり悔しかったので、お姉さんの言うことを聞かずに二人でサブウェイでサンドイッチを食べた。走ってゲートへ。保安検査と出国審査が残っていることを忘れていた。
 搭乗開始は15時15分、搭乗口についたのは13分だった。エコノミーは一番最後なのに、ずいぶん並んでいる。悔しかったのでソフトクリーム屋を探し食べながら戻ると搭乗が始まっていて、それでも列は縮まない。15時28分。そういえば、さっきから名指しのアナウンスが飛び交う。成田では、チェックインさえすませていれば最悪呼び出してくれるのだ。ということは、と「搭乗券を持ってお並びください」を無視してタバコを吸った。ちょっとスッキリした。戻ってくるとさすがに4人くらいしかいなくて、すんなり乗る。怒られなかった。
 飛行機には、外国人のお兄さんもずいぶんいて、そういえばお隣に座るのはどんな人かしら。「おひとりですか?」なんて映画みたいだとそわそわした。わたしのシートの隣はまだあいていた。あと13分で飛行機は出る。もしかしてラッキー2人席か。搭乗に際し、ギリギリに乗ることでうさを晴らしたつもりだったけれど、上には上がいた。わたしのとなりに座ったお姉さんなんて7分前に座った。特に会話もなく、なあんだ、こんなことなら不二家のパフェ食べられたかもなあ。もうすっかりベルトを閉めて考えていた。