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1993年生まれ。江戸川区出身。写真家、仮面劇俳優、インプロバイザーとして活動中。人物ポートレート、人物スナップを得意とする。

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仕事をやめて、解放感と体力の回復してきた嬉しさにひたった10月を過ぎ、11月、低迷期に入った。わたしは、仕事をしていない。そのことがなんとなくコンプレックスになってしまう。焼き肉を食べていても「無職なのに焼き肉を食べている」もちろんすごく美味しくて、ひょっとしたら無職のほうが美味しいのかもしれない。筋トレをしていても「無職なのに身体を鍛えている」これは無駄な筋肉なんじゃないのかとか、もっとすると無職だから身体くらい鍛えないといけないんじゃないか。無職なのにブログを更新し、無職なのにマニキュアを塗って日がな歌を歌ったりしている。大根をおろしたりもする。無職なのに。
厳密にいえばわたしは無職ではないのだ。写真をとってお金を貰ったり、アルバイトだって始めたし、たまに演劇でお金を貰ったり、自分の保険料を払えるくらいの貯えもある。一人で生きていくには心もとないけれど、大変な大荷物というほどでもない。だけどここのところ妙に気にしてしまう。無職だもんなあ。

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実家の給湯器が壊れたが、実家の人たちはのほほんとしていた。みんなで大きなお風呂屋にいって、なんだか得した気持ちだった。
かつて住んでいたボロアパートでも、真冬に給湯器が壊れて辛い思いをした。辛い思いはしたが、わたしは風呂が壊れたおかげでウイスキーが飲めるようになった。1月のことだった。入浴中にお湯がでなくなり、髪も身体も冷え切って、そのままの身体でいざ最寄りの銭湯へ。グーグルマップを頼りに10分歩いた。濡れた髪に風呂かごさげてえっちらおっちら。雨も降っていたと思う。やっと着いた銭湯のドアには「12月31日で廃業します」の張り紙が。絶望した。
うつむきながら帰路をたどると、地下に繋がる細い階段を見つけ、そこがバーであることがわかった。失意の夜、そこが人生はじめてのバーとなり、ウイスキーを飲めるようになったきっかけを作ってくれたのだった。

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土砂降りの朝。家から白のビニール傘をもって出た。土砂降りでも丈夫な65センチ径。雨は一日降ったりやんだりだった。夕方ボルダリングジムに寄る。傘立てには黒い傘が一本ささっていた。ちょうど土砂降りだった。みんなどうやってきたのかしら、と思ったら何人か濡れていた。折を見て隙を見て濡れずに済んだという人もいた。リハビリ、のつもりがすっかり3時間もいてしまい、傘立てには黒い傘と白い傘、それから透明なビニール傘。白い傘をとって外に出る。歩き始めて骨がひどく折れていることに気が付いた。それに、金属が黒かった。私の傘は銀色だったのに!!誰かが取り違えたようだった。折れた傘を差しながら悲しい気持ちで歩く。
家の人たちにおつかいを頼まれてセブンイレブンに寄った。傘立てには傘が一本。セブンイレブンで子供が走り回っていた。牛乳とトマトジュースとサンドイッチを買って外に出ると、傘立てには傘が一本もなかった。未だ霧雨が止まず、そのなかを歩く。家を出た時は新しいビニール傘だったのに、一日のうちに折れて、ついにはなくなってしまった。歩きながら考える。折れた傘を差していた誰かは、今頃わたしのあたらしい傘で濡れずに済んだろうか。傘を持たない誰かが、この霧雨を折れた傘でしのいでいるのだろうか。信号が、テールランプが、自転車が、雨にけぶってキラキラ滲んでいた。雨をしのいだ彼らは、このキラキラが見えただろうか。

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友人が、SNSで友人を募集して結婚までしたという。彼は、自分のパートナーに求める条件を10個あげ、それぞれ当てはまるごとに10点付与というシステムのテストを作り、100点の人とお付き合いをして結婚をした(とても読みやすい記事がこちら)
その話を聞いて人生を一緒に走りたいパートナー、という基準で江戸川版テストを作成してみた。現在の恋人を採点したところ、なんと30点だった。得点をえられたのは、気候変動に強いところ、ウイスキーとコーヒーが好きなところ、突然筋トレをはじめても許してくれるところだった。
軽い気持ちでこんなことをしてしまったせいで、考え込んでしまった。なんて不都合な人に恋をしたことだろう!と。ノートの上で、恋愛至上主義に踊り狂わされる阿呆のミニカエルがくるくるまわっていた。実際のところ、そんなことは薄々想像できていた。もうとっくにわかっていることだった。ひどく不都合なのは恋をしていることだった。まったく思うようにいかないし、苦しくて仕方がないし、わけわからないところで相手も自分も怒る。そもそもパートナーや定期的にセックスするくらいの相手ならばともかく、恋人ともなれば存在が不都合極まりない。前提から大敗北だった。その話を恋人にしてみたところ、そうかもね、と笑っていた。いいのか、30点なんだぞ!!
ああ、だけど、その笑った顔が1億点だった。気付けばまた、大逆転をかまされていた。

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夕食時に日本酒を飲み、良い気持ちに真っ赤になった父が上裸でリビングをうろうろしていた。父は血管のばらつきのせいか、胸と胸の間だけ真っ白なままだった。母がそれを面白がって「どうしてここだけ白いんだろう・・・・」ボタンのように押していた。娘の前であまりいちゃつかないで欲しいなとこぼすと、酔っぱらいの父が言う。「違うんだ、ママが胸を見て欲情しちゃっただけなんだ」
そんなことを言っていいのか、うちの娘はブロガーなんだぞ。

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そうして、美容のために人生で初めての禁煙に挑戦し、2日で挫折した。禁煙はダイエットと同じだと思っていた。チョコレートをやめる時のように「食べてはいけない」と考えないのがコツだった。チョコレートをやめるとき、わたしは「食べてはいけない」ではなく「食べなくてもいいかな」と思うようにしている。そうして食べなくてもいいかな、を続けると、癖が抜けて食べたいとも考えなくなる。だけど、誰かがとてもよいチョコレートを買ってきてくれたり、どうしても「食べなくていい」とはならないときには普通に当たり前のことのように禁忌でもなんでもないように食べる。同じ方法で禁煙をしようとした。ポイントは、チョコレートは一生辞めなくても減量出来れば成功と呼べる。だけど、禁煙はそうもいかなかった。3日目に誰かがとてもよい煙草を買ってきてくれたからといって、吸ってはいけないんだ。

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6年ぶりに、人に作ってもらったお弁当を食べた。くるるの劇団員の方がお弁当を作ってくれた。自分で握ってきたおにぎりより、百万倍美味しかった。おにぎり職人の匠のわざなのか、それともこれが噂に聞く「調味料は愛情」か。とにかく、ふいに作ってくれたお弁当が嬉しくてしょうがなかった。