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1993年生まれ。江戸川区出身。写真家、仮面劇俳優、インプロバイザーとして活動中。人物ポートレート、人物スナップを得意とする。

とにかくとても長いのと、ラバーズ本編の社会的意義や学んだことや気づいたことなどは1ミリも書いていません。ただのラブラブレゲエポエムになってしまいました。だから、これは、わたしが、みんなから受け取った、愛、のようなものを、忘れないために書きました。
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ちょっとわたしの話をする。
江戸川カエルは、愛とか希望とか平和よりも、孤独や絶望を撫でたり舐めたりすることで日々生きている。だけど、ラバーズの主宰をしていた約2ヶ月、みんなの前では、ちょっとだけ愛とか希望とか優しさとか明日とか、「生きてるだけで尊い」ということとかを信じたくて、正しくなくても優しい人でいたくて、そういう風にふるまっていた。ほんの少しだけ嘘をつきつつ。
本当はたぶん、わたしが一番、信じてなかった。みんなには稽古の最中に「来ただけでエライ」「生きてるだけでエライ」って言い続けていたけど、自分のことを心からそう思えたことは一度もなかった。

昨日のショーでは、メンバーみんなが、ずっとお互いの側に居続けることが出来たと思う。わたしは、ショーが終わるまで、こんな時間が来るってことを全然信じていなかった。だから、帰り道、さっきまでの奇跡みたいな時間のことを考えてずっと泣いていた。
「来ただけでエライ」をずっと自分のために言い続けてきた稽古で、ダルダルの主宰だったのに、ショーが終わるまで、一緒にいてくれて本当にありがとう。

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おしょう。最初にこの公演をやりたいと思ったときに、即答で一緒にやると答えてくれた。
彼の好きなところは、人のことを意外とよく見ていてくれているところ、ディレクションの愛と毒とおちゃめのバランスが最高なところ、たまに中身が小学生なところ、不条理なシーンも余裕でできちゃうところ。
出会いは最悪だった。5年程前になる。わたしが毎日「明日死ぬんだ」と思っていた時期のことだった。まだコンタクトレンズをつくる前で、何も見えていなかったのだと今は思う。世界に味方はひとりもいないと本気で思っていた。初めて会った日、なんであんなに泣いて怒ったのか全然思い出せないけど、帰りの電車で号泣しながら「おしょうは最低クソファシリテーターだ!地獄に落ちろ!」と大憤慨していた。(※ 5年前のことです、おしょうは最低クソファシリテーターではありませんのでみなさん安心してワークをうけてください)
 そんなこんなで時間が経って、そのあとどこかで彼を見かけても「ふーんだ!」という態度を取り続けていた。カエル反抗期かよ。申し訳なかった。
 おしょうが人間で、デーモンでも敵でもないと認識したのはそれから3年くらい経ってのこと。わたしが「今夜はカエらない」という2人ショーの企画におしょうを呼んでからだった。当時、「いちばんわたしと組まなそうな人とショーをする」と心の中で決めていた(本当に失礼な話です、受けてくれてどうもありがとう、おしょう)告知を打つ段階では、まだ、おしょうのことを魔界の人だと思っていたため「カエルとハデス」というひどいタイトルのショーだった。だけど、その夜のショーは、「カエらない」の中でも屈指の出来となる素晴らしいショーとなった。ショーの最中、おしょうは、ずっとわたしの側に居てくれた。一緒に困ってくれた。ステージの上で一緒に困ってくれたことが嬉しかった。上から手を差し伸べるのではなく一緒に困ってくれた。
 それから、わたしたちは、どこかで顔を合わせると「やあ」というくらいの仲になった。「やあ」「やあ」を繰り返すうち、少しずつ、距離が近づき、気が付いたら同志と呼べる人になっていた。おしょうすごい。
 夜回で内海君とカップルのシーン、とても素敵だった。「インプロショーの打ち合わせ」のディレクション、「ゲロを吐いちゃうシーン」のディレクション、すごくわくわくした。夕回でわたしが泣いている時に背中をそっと支えていてくれたことも嬉しかった。

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みくみん。彼女の好きなところは、起き上がりこぼしみたいなところ。ノーメイクが最高にかわいいところ。ピンクのワンピースが似合うところ。語るエピソードがストーリではなく詩的なモーメントで構成されているところ。いわゆる「チョイ役」がめちゃくちゃ上手くて素敵なところ。
この人とも出会いは最悪だった。この最悪な出会いに関してはみくみんが先に書いてくれているのでこちらを参照。おしょうとほぼ同時期に出会っている。この時期に出会った人間のこと、誰のことも好きになれなかったので、彼女が「カンチガイ」と好意的に捉えなおしてくれたことに関しては残念ながらほぼ全て事実であった。ごめんなさい。
ちょうど一年ほど前、偶然FBで流れてきたみくみんのブログを、なんとなく読んだ。そこに乗っていた写真がとても素敵だった。強烈に素敵だった。確か旅館かどこかで何か食べてる写真だった。ああ、見えてなかった。こんな顔する人だったんだなと思ったら、写真家として猛烈に悔しくなってしまった。しかも本人はその写真を「ひどいわけわからない表情」みたいに言っていたのが全然気に食わなかった。だって今までみたどのみくみんより好きだったから。
だからわたしは、わたしの好きなみくみんを探しに、彼女の家に遊びに行くに至ったのだった(大変失礼な話です。招いてくれてどうもありがとう)
 それから、わたしたちは、たまに「元気ですか」とやりとりをする仲になった。「元気ですか」を繰り返すうち、少しずつ、距離が近づき、気が付いたら同志と呼べる人になっていた。みくみんすごい。
 みくみんの語ってくれたエピソードのおかげで、夜回、奇跡みたいなミュージカルを作ることが出来た。本当にありがとう。あと「枝豆にな り ま す」と言ってしまう居酒屋の店員が、2度出てきたの嬉しかった。京都を彷徨うおしょうの影のモノローグはちょっと泣きそうになった。「安良川かえるに改名して、むらしと出会いなおす」シーンも本当にありがとう。改名やめるって決めました。一緒にキラキラのゲロを吐いたのとても楽しかった、たぶん一生忘れない。

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じろう。出会いは全く覚えていない。いつだったかすら思い出せない。気が付いたら愛していた・・・。じろうちゃんは、どんな空気もじろう色に変える天才。困っている人や悲しい人をみるとなんとか励まそうとするけれど、ほぼ空回りしていく様子もかなり好き。インプロしてるとき本当に楽しそうなのが素敵で、じろうを見ると「ああインプロって楽しいんだもんな」と思い出すことが出来る。
今回のショーにじろうちゃんを呼んで本当によかった。じろうちゃんがいてくれたから、わたしは最後まで明るくやりきることが出来た。たぶんみんなもそうだったんじゃないかなと思う。その素敵な笑顔とエネルギーで、鳥取をじろう色に変えてください。

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 だいら。今回のショーへのオファーがきっかけで出会った(見たことはあった) だいらの好きなところは、わたしより感受性が強いように見えるのに全然拗ねてないところ、すごい、大人かよ。(カエルがおしょうと出会って糞野郎と罵っていたあたりの年齢かと思うとひれ伏す)人の傷にとても敏感で言葉をしっかり選んでくれるところ。いざというときのエネルギーがすごいところ。あとお洋服がいつも全部素敵なところ。
 夕方の回の後半で口火を切ってくれて、そのエネルギーの大きさに、みんなが突き動かされて行った。結婚式のシーン、とても好きです。あとゲロを「キラキラにしてください」と言ってくれてありがとう。キラキラ吐くの楽しかった。本番では殆ど一緒にシーンを作れなかったけれど、稽古で、ギターを弾くシーンを一緒にやってくれたの嬉しかった。本当にありがとう。

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 むらし。今回のショーへのオファーがきっかけで出会った。むらしの好きなところは、まず笑顔。それから、自分の気持ちにめちゃくちゃ誠実なところ。人からの影響を受けやすいところ。好きになった人たちへのリスペクトをちゃんと持ち続けるところ。
 今回のショーでは、じろうちゃんと素敵な飲み会のシーンをしてくれたこと、沢山自分の話をしてくれたこと、とても嬉しかった。夕回で、わたしのシーンをやってくれたときに、ボルダリングしてくれたの嬉しかった。夜回、なぜか沢山一緒にシーンをやれて楽しかった。ありがとう。

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 内海君。実は、稽古が走り出した後、最後にキャスティングされた。今ではコンタクトインプロ仲間になっているけれど、まあ出会った頃は、やはりあんまり好きじゃなかった。付き合いが長いので割愛する。歩く自己啓発書といじられている(主にわたしに)けれど、実際は割とそうでもなくて、人間なんだなとここ半年くらいで少しずつわかってきた。内海君の好きなところは、とにかく誠実であろうとする姿勢。あと甘いものを食べているところが可愛い。歌が好きで、わたしは、内海君とカラオケに行ったのをきっかけに歌が好きになれたりした経緯がある。
 今回のショーでは、夕回でじろうちゃんと二人で歌っているシーンがとても素敵だった。隆雄君と呼ばれるシーンは最高にチャーミングだった。バーフバリの提案をしてくれて本当に嬉しかった。おしょうとふたりで、カップルのシーンも素敵だった。そして、毎回稽古に来てくれただけでえらいのに、全回しっかり参加してくれてありがとう。ことあるごとにわたしの首の健康を守ってくれてありがとう。

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そして、スペシャルミュージシャンのゆがくん。今回は、最後まで見守っていてくれて本当にありがとう。素敵すぎる歌と時間をどうもありがとう。ゆがくんの作るゆるい空気が大好きです。

このショーが、このメンバーでできて、とても幸せだったし、これが最初の一歩になったと信じている。自分が何をしたかったのか忘れそうになったり、信じられなくなったとき、ひとりぼっちになりそうなとき、誰かを傷つけてしまったとき、ひどく傷ついたとき。きっと、この先何度も、昨日のことを思う。キラキラした時間をどうもありがとう。愛しています。