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1993年生まれ。江戸川区出身。人物ポートレート、人物スナップを得意とする。東京学芸大学表現コミュニケーション選考卒業。

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トイレの水を流した後、その水がとまるまでじっと見て待っていてしまう。大学時代のオンボロアパートで染みついた悪しき習慣。うちのトイレは、水は流れるが止まらないことがしばしばあった。だから、無事に流れても、水が止まらないんじゃないかという不安がぬぐえない。”トイレが流れない”ことも大ピンチのひとつだけれど、水が止まらないのもかなり怖い。旧宅のトイレは構造上、溢れてしまうということがありえないのはわかっていたのだけれど、水が溢れて六畳間をみたしてしまうのではないかと何度も思った。トイレの水が天井まで満ちてしまった六畳間を想像する。家中を洗い流さんと満ちた水は、台所の換気扇からごうごうと流れ出しそのうちに国分寺中を満たし、街ごと洗い流してしまう。わたしの集めたドイツスプラッターのDVDも、卒業アルバムも駅のコンコースをたゆたう。ごうごうと止まらないトイレの水はそのまま国分寺のあれこれ、スターバックスの看板やカフェジョルジュのマスターをも巻き込んで、うずをまき、そのまま南口の坂道を下り府中街道の窪地にたまってゆく。終着点をみつけた水は大きくうずをまき、わたしも、卒業アルバムも、ジョルジュのマスターも、渦のなかですれ違い「やあ流されちゃってね」と挨拶をして、ラブホテルに居た非合法のカップルは所在に困り、あれ、あんたたちなんで一緒にいるの!!と思う間に渦にのまれ・・・・。そんなことになったらすごく面倒だし大変だ。だからわたしは、どんな高級トイレでも、水が止まるまでじっと見てしまう。