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1993年生まれ。江戸川区出身。写真家、仮面劇俳優、インプロバイザーとして活動中。人物ポートレート、人物スナップを得意とする。

 宿泊していたレジデンスのフロントドアにはAUTOMATIC”CAUTION”と書かれている。わたしひとりでいると、自動で開いたためしがなかった。なににCAUTIONすればいいのか。最初は壊れているのかと思っていたけれど、同居人のMegsやJoelと一緒にいるとグアーー!とドアが開く。人数の問題かしらとひとりで先に出て(もちろんドアは自力であけた)Megsが出てくるのを待っていたら、グアー!・・・・・人を馬鹿にしているとしか思えないドアだ。ところが、最後の2日というところにきて突然ドアが開くようになった。やっと人間認定してくれたのか、カナダへの愛が通じたのか、因縁の対決に決着がついた。
 朝食は施設内のDenniesというアメリカンな店でとっていた。何故か朝食券を100枚以上持っているMegsのおかげで、パンケーキやらマフィンやらフレンチトーストやら、朝ごはんの油/小麦粉/砂糖はタダだ。ただし殆どのメニューが美味しくない。4日に一度のパンケーキの日を楽しみに生きていた。パンケーキが朝ごはんだと一日元気だ。「一緒に食べられる最後の朝食は、パンケーキだといいね」と話していたけれど、朝ごはんはマフィンだった。なあんだ、がっかり、と笑っていたら、Megsがパンケーキをオーダーしてくれた。20日以上の滞在を経て、Denniesのお姉さんとすっかりマブダチのMegsのおかげで念願かなう。パンケーキを食べた。なんやらマフィンもつけてもらった。パンケーキ3枚と、マフィンを食べてお腹がいっぱいになる。最後の朝ごはんを食べながら、次に会えたときにしたいことを二人で数えた。