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1993年生まれ。江戸川区出身。写真家、仮面劇俳優、インプロバイザーとして活動中。人物ポートレート、人物スナップを得意とする。

 無駄なことをいっぱいしよう。買うより高いけれど餃子を手作り、ペン回しの練習をしてラジオを分解しては戻して、一本の毛糸で蝶結びを100個作り休日にはゾンビ映画を6本見よう。
 就活という言葉もチラつきはじめた最近、『有意義に時間をつかってください』と言われる機会が多い。有意義とはなんぞと考える。小学生のころ、無駄なことなんてひとつもないと思っていた。今していることは、将来どこかでぼんやりと『あ、いまこれが活きてる』と思うんじゃないかしらと。だから、無駄なことなんてひとつもないと思っていた。そうでもないということが、わかりはじめた。餃子はやっぱり買った方が美味しくてラジオ屋さんになるわけもなく、蝶結びは両端からひっぱって一気にほどきたいし、本物のゾンビにはたぶん一生会わない。だからどうした。それでも無駄をやめられない。あとからついてくる意義はつまり、いまはいらない意義なんだ。いつかこれが役に立つとか、いつか王子様がくるとか、再来年には就活だとか、考えない時間が必要だ。もう、宵越しの銭も宵越しの期待もいらない。春になったらキックボードで町内一周してスタバでフラペチーノを飲んで下痢をしたい。